進撃の巨人・自由論

半分は哲学の解説ブログ、半分は作品の考察ブログ(最近は3:7くらい)。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

5.7.d 補論 ミカサの後日談は『めぞん一刻』を参考にすべきだった説

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 以下、またちょっとミカサのキャラ造形に文句を言ってしまいますので、苦手なかたはスルーしていただけましたら。 どうして墓場にマフラーをもっていった? 最後に話題にしたいのは、単行本で最後に加筆された一シーン。…

5.7.c 愛の等価交換、またはミカサと始祖ユミルの解放 (下) 〜 自由になることと人間であること

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com ミカサの現実逃避と「長い夢」 エレンとの最終決戦。 仲間たちが、もはやエレンを殺さずはにかれを阻止できないと覚悟を決めるなか、ミカサだけは動揺を隠すことができません。 それでもかのじょはどうにか、一度は始祖…

5.7.b 愛の等価交換、またはミカサと始祖ユミルの解放 (中) 〜 自由になることと人間であること

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 愛の等価交換の不成立 愛情の関係における自由――始祖ユミルが求めたもの、ミカサがエレンとの関係において到達すべきもの――とは、わたしの愛する行為とあなたの愛する行為との等価交換を成立させることです。 しかし、ミ…

5.7.a 愛の等価交換、またはミカサと始祖ユミルの解放 (上) 〜 自由になることと人間であること

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 本日のテーマはミカサの愛。 バレンタインデーにぴったりです。 ミカサにとってのエレンの二面性 ミカサが「主役より強いけど主役を引き立ててくれる」系ヒロインを脱却し、自由な実存になれるかどうかは、ミカサがエレ…

5.6 ミカサ奴隷説のメタ視点的考察 〜 自由になることと人間であること

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com ミカサは奴隷なのか 愛をつうじた解放への願い叶わず、永遠の奴隷となってしまった始祖ユミル(5.4を参照)。 かのじょは、最終回でのエレンの話によれば、ミカサの選択と行動を見ることによって救済されたのでした。 さ…

5.5.b なぜエレンは「未来の記憶」を見るか、または自己実現的予言 (下) 〜 自由になることと人間であること

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 自己実現的予言 自分自身の「未来の記憶」を予知し、未来の自分が意志することを目指して行動するエレン(ひょっとしたらグリシャも)。 このことは、自分を自由だと信じるエレンが、実は人知を超える大きな力によって操…