進撃の巨人・自由論

半分は哲学の解説ブログ、半分は作品の考察ブログ(最近は3:7くらい)。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

0.9.b わたしは他人とともに自由でありうるか (中) ~ 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』

「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「君のどこが自由なのか」 おさらい。 エレンの「戦わなければ勝てない 戦え」は、彼が自分自身に立てた自由の掟。 敵が巨人から島外の人類へと変わった後も、エレンはこの掟を貫いた。 カント的意…

0.9.a わたしは他人とともに自由でありうるか (上) ~ 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 一応、いままで書いてきたのは「進撃の巨人・自由論」のたんなる導入部のつもりだったんですよ。長くなりすぎて、我ながら呆れます。 でも、今回が導入の最後です(分割するけど)。 わたしの自由と、他人の自由とは、つ…

0.8.b エレンに自由意志はあったのか (下) ~ 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』

まず「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com やっぱりエレンは「自由の奴隷」だった? 自由意志なんて白昼夢。必然性に従うことが自由。 自由になるためには、自由意志なんて「あげちゃってもいいさ」と考えるんだ。 まさにこのスピノザ流…

0.8.a エレンに自由意志はあったのか (上) ~ 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 星とかつけてもらって、ありがとうございます。励みになります。 今日、考えてみたいのは、わたしの行為の原因が外部にあるとすれば、わたしは自由ではないのか? ということ。 すなわち、決定論や必然論の問題です。 ス…

0.7.b 実存的自由の群像劇 (下) ~ 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』

分割しました。「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「この世に生まれてきてしまったから」 エレンはファルコに言います。 みんな「何か」に背を押されて「地獄に足を突っ込む」。 だいたいの人は他人や環境に強いられてそうするのだが…

0.7.a 実存的自由の群像劇 (上) ~ 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 『進撃』の自由観の転換 あなた、 言いましたよね? 『進撃』世界の自由観は「積極的自由」なんだって。 エレンの「オレたちは生まれた時から自由」は『進撃』流の「人間賛歌ッ!!」なんだって。 そのはずが、舌の根もか…