2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 本来性と非本来性 「ほんとうのわたし」を選ぶこととしての自由を、ジャンについて考察しました。 実存主義によれば、ほんとうのわたしとは、純粋に内面的な自己ではなく、むしろ「状況内存在」としての自己です。 特権…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「弱い人」でありつづけるジャン 前回は、ジャンが自由な「状況内存在」となったこと、すなわち「今何をすべきか」を知り、状況を自分自身の責任において引き受けたことを論じました。 みずからの痛み、みずからの弱さを…
主演俳優として引きずり出される「その他大勢」 アルミンの実存的選択にかんする考察において、かれが自由になりうるかどうかは、ロマンティックな夢追い人としての自分自身に対する責任を引き受けられるかどうかに左右される、ということを論じました(2.7.…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com アルミンの実存的選択または脱マキャベリズム 善をなすことがどれほど困難だとしても、悪が生じるのは必然ではなく、人間の自由からである。 「夢」と現実との落差がどれほど大きいとしても、現実に屈するか現実を乗り越…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com マキャベリスト的ロマン主義者アルミンの挫折 エルヴィンの代わりに蘇ったあと、アルミンは「大事なものを捨てる」決断ができるマキャベリストではなくなってしまったように見えます。なぜでしょうか? 才能が失われてし…
「上」からお読みを。 unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com フロックと群衆 さて、なぜ「凡人」フロックが凡人のまま、ここまで徹底的にちゅうちょなく、血も涙もなく冷酷なマキャベリズムを実践できるかを考察してみましょう。 ポイントは、すでに述べたと…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 凡人フロックが欲する「悪魔」 今回は、エルヴィンを「地獄」に蘇らせようとしたフロックに光を当ててみます。 マーレ編以降、まるでエルヴィンやアルミンのかわりに、フロックがマキャベリストの役回りを引き受けたかの…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com ほんとうにリヴァイの選択だったのか ずいぶんとエルヴィンの話が長くなってしまいました。 でもようやくここで、次の問題を、哲学的考察のために俎上に上げることができるというもの。 なぜリヴァイはエルヴィンではな…
「上」から読んでください。 unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「我々はここで死に 次の生者に意味を託す」 絶対的な死を前にしては、どんな人生も等しく無意味。 そう認めながらも、エルヴィンは叫びます(80話)。 仲間たちの惨たらしい死に意味を与え…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 死の存在論的意味 世界の真実を明らかにするという宿願を、ファウスト的自由を、諦めたエルヴィン。 かれの選択は、状況に迫られて仕方なく選んだ自己放棄でしかないのでしょうか? それとも、たんなる諦めや自己放棄と…