進撃の巨人・自由論

半分は哲学の解説ブログ、半分は作品の考察ブログ(最近は3:7くらい)。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

1.4.a 不安を生き抜くことの倫理 (上) ~ ニヒリズムと実存的自由

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com たいへん長らくお待たせしました! 今回のメインは、みんな大好き、リヴァイ兵長ですよー! ...といいながら、たいして待っている人もいない当ブログではありますが...(読んでくださる方々、いつもありがとうございます…

1.3.b 反ニヒリストと「力への意志」 (下) ~ ニヒリズムと実存的自由

「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「力への意志」になりきったエレン そんなこんなで、いろいろ経験して成長し、覚悟ガンギマリになったエレンは、最終的にはテコでも揺るがぬ「力への意志」の持ち主となりました。 「道」をつうじ…

1.3.a 反ニヒリストと「力への意志」 (上) ~ ニヒリズムと実存的自由

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「力への意志」 ~ ニヒリズムを克服する自由 ニーチェによればニヒリズムとは、挫折させられた自由の埋め合わせです。 「虚無への意志」は、まるで魔法のように、無意味を意味に、無目的を目的に、不条理を条理に、行為…

1.2.b ニヒリストと「虚無への意志」 (下) ~ ニヒリズムと実存的自由

「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 自由の埋め合わせとしてのニヒリズム 前記事で見たことを要約しましょう。 ニーチェによれば人間は、どれほど無力であろうとも、価値を、意味を、自由を、欲せずにはいられない存在です。 挫折した…

1.2.a ニヒリストと「虚無への意志」 (上) ~ ニヒリズムと実存的自由

unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「残酷」な世界のなかで、価値ある自由を求めて 強者をかせにはめようとする奴隷的大衆と、それでもあえて強者であろうとする自由で勇敢な少数者。 そんなニーチェ的構図で読み解ける側面を『進撃』はもっています。 た…

1.1 「世界は残酷だ そして とても美しい」 ~ ニヒリズムと実存的自由

ニヒリスト的世界としてのパラディ島 『進撃』の作品世界において、人類は自由ではありません。 なぜなのか。人類を無残に喰い殺す巨人たちに、自由を奪われているから? そうではありません。むしろパラディ島の人類は、自由をみずから放棄しているから、自…

0.9.c わたしは他人とともに自由でありうるか (下) ~ 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』

「上」「中」を先に読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 調査兵団の自由 でも、ミカサ一人だけでは、エレンを止め、彼を解放することはできませんでした。 エレンが「地鳴らし」をはじめたとき、これを阻止す…