当ブログで参照した哲学書などの一覧です。ご参考までに。 0 自由の哲学入門書として読む『進撃の巨人』 バーリン「二つの自由概念」 みすず書房『自由論』所収 J.S. ミル『自由論』岩波書店 マキャヴェリ『君主論』中公文庫など サルトル「実存主義とはヒュ…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 実存主義者はニヒリストとはどう違うか 決断することをためらうな。 だが同時に、自分の判断が次の瞬間には誤りになることをつねに覚悟せよ。 ――これこそリヴァイの生きざまから抽出される教えです。 ところで、この教え…
「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「敢然として決断をなさい」 決断すること。 何にも動じずに欲することを為そうとする「力への意志」になること。 「残酷な世界」に、ニヒリズムに対抗するには、そのような鋼の意志へと自己を化す…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com たいへん長らくお待たせしました! 今回のメインは、みんな大好き、リヴァイ兵長ですよー! ...といいながら、たいして待っている人もいない当ブログではありますが...(読んでくださる方々、いつもありがとうございます…
「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「力への意志」になりきったエレン そんなこんなで、いろいろ経験して成長し、覚悟ガンギマリになったエレンは、最終的にはテコでも揺るがぬ「力への意志」の持ち主となりました。 「道」をつうじ…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「力への意志」 ~ ニヒリズムを克服する自由 ニーチェによればニヒリズムとは、挫折させられた自由の埋め合わせです。 「虚無への意志」は、まるで魔法のように、無意味を意味に、無目的を目的に、不条理を条理に、行為…
「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 自由の埋め合わせとしてのニヒリズム 前記事で見たことを要約しましょう。 ニーチェによれば人間は、どれほど無力であろうとも、価値を、意味を、自由を、欲せずにはいられない存在です。 挫折した…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「残酷」な世界のなかで、価値ある自由を求めて 強者をかせにはめようとする奴隷的大衆と、それでもあえて強者であろうとする自由で勇敢な少数者。 そんなニーチェ的構図で読み解ける側面を『進撃』はもっています。 た…
ニヒリスト的世界としてのパラディ島 『進撃』の作品世界において、人類は自由ではありません。 なぜなのか。人類を無残に喰い殺す巨人たちに、自由を奪われているから? そうではありません。むしろパラディ島の人類は、自由をみずから放棄しているから、自…
「上」「中」を先に読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 調査兵団の自由 でも、ミカサ一人だけでは、エレンを止め、彼を解放することはできませんでした。 エレンが「地鳴らし」をはじめたとき、これを阻止す…
「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「君のどこが自由なのか」 おさらい。 エレンの「戦わなければ勝てない 戦え」は、彼が自分自身に立てた自由の掟。 敵が巨人から島外の人類へと変わった後も、エレンはこの掟を貫いた。 カント的意…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 一応、いままで書いてきたのは「進撃の巨人・自由論」のたんなる導入部のつもりだったんですよ。長くなりすぎて、我ながら呆れます。 でも、今回が導入の最後です(分割するけど)。 わたしの自由と、他人の自由とは、つ…
まず「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com やっぱりエレンは「自由の奴隷」だった? 自由意志なんて白昼夢。必然性に従うことが自由。 自由になるためには、自由意志なんて「あげちゃってもいいさ」と考えるんだ。 まさにこのスピノザ流…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 星とかつけてもらって、ありがとうございます。励みになります。 今日、考えてみたいのは、わたしの行為の原因が外部にあるとすれば、わたしは自由ではないのか? ということ。 すなわち、決定論や必然論の問題です。 ス…
分割しました。「上」から読んでね! unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 「この世に生まれてきてしまったから」 エレンはファルコに言います。 みんな「何か」に背を押されて「地獄に足を突っ込む」。 だいたいの人は他人や環境に強いられてそうするのだが…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 『進撃』の自由観の転換 あなた、 言いましたよね? 『進撃』世界の自由観は「積極的自由」なんだって。 エレンの「オレたちは生まれた時から自由」は『進撃』流の「人間賛歌ッ!!」なんだって。 そのはずが、舌の根もか…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 『進撃』世界の人物たちは、干渉されない自由というよりも、積極的自由、すなわち自己決定の状態としての自由を求める。 自由でなければ、人間は人間らしく生きることができない。「家畜」や「鳥籠」の鳥と同然になって…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com すみませんが今回も、自由のダークサイドの話です。これで最後なのでご勘弁を。 前回は、自由への渇望が、他人の自由をものともせず圧殺するパターナリスト=「毒親」を生み出しうるという話でした。 しかし自由を求める…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 前記事はこんな話でした。 壁内人類を脅かす巨人たちは、自由と相克する「運命」の象徴。 運命にあらがう自由は、マキャベリストの自由。マキャヴェリにとって、自由は善悪に優先する。マキャベリズムとは、人間らしく自…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 積極的自由の光と影 干渉されずに自己決定できる「権利」としての消極的自由にたいして、積極的自由とは、自己決定の「状態」に達することであり、そこには自由が人間を人間的たらしめる理想的な状態であるという含意も…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 積極的自由 『進撃の巨人』のテーマである「自由」について、前記事では、だいたいこんな風に論じました。 それは個を尊重する自由だが、かといって、わたしたちになじみ深い私的・消極的な自由(干渉されない・束縛され…
自由の物語 マンガ『進撃の巨人』が4月に完結しました。 で、みなさん、あのキャラがああなった、こうなったとか、結末がよかったとか、期待外れとか、そういう感想ばかり言いあっています。 ちょっとした作品批評を含んだ記事を見ても、なんだか浅いコメン…